The Basics of Organization
By
Isamu Maruhashi
2 Academic Speechに向いているスピーチの種類... 5
2.1.4 Speech to Inform, Persuade, Activateの違い... 6
2.1.5 Speech to Entertainは?... 6
3.1.2.1 「権威性」(Credibility)を築く... 7
3.1.2.2 オーディエンスとの共通点(Common Ground)を確立する... 7
3.1.2.3 スピーチ全体の雰囲気・調子(Tone)をつくる... 8
3.2.4 個人的・歴史的・一般的事実 (Personal, Historical and Audience References) 8
3.2.5 Humor/トピックを示唆するようなユーモア(笑い話等)を用いる... 9
3.2.6 驚くべき発言 (Startling Statement) 9
3.2.7 短い話やIllustrationで始める... 9
4.2 Thesis Statementに必要なもの... 11
4.2.1 オーディエンスが関心を持つようにしなければならない... 11
4.2.4 Categorical terms(絶対的・全面的な用語)を使ってはならない... 12
4.2.5 Thesis Statementの書き方... 12
5.1.1 論理配列または項目配列 (Logical or Topical Order) 13
5.1.2 時系列配列 (Chronological Order) 13
5.1.4 分類配列 (Classification Order) 14
5.1.5 問題解決配列 (Problem-Solution Order) 15
5.1.6 因果配列 (Cause-Effect Order) 17
5.1.7 複数の形式の組み合わせ (Multiple Patterns) 18
5.1.8 スピーチの目的とOrganizationの関係... 20
5.2.1 基本的な従属関係 (Standard Subordination) 20
5.2.5 主要項目(Major Points)は文章で書き出す。... 22
5.3 Transitional Devices and Statements. 23
6.1.1 オーディエンスに終わることをしらせる... 24
6.1.3 オーディエンスに印象付ける「何か」をのこす... 24
6.2.1 自分のMain pointを強める簡単な話で終わる。... 24
6.2.4 自分のスピーチの主旨の具体例を述べて終わる。... 25
7 Organizationの「その他」(Odds and Ends)26
1 前書き
本編に入る前に、今ESS界のスピーチのOrganizationに関してかなり大きなウェイトを占めるようになった、いわゆるPHCSについて考えてみたいと思います。
1.1 PHCSの功罪
1.1.1 PHCSって何?
実は、私は最初は知らなかったんです。1995年前後始めてPHCSという略語を聞いたと思いますが、そのころはただESSの中ではやっている用語だと思いましたので、特に気にしませんでした。そして、PHCSという略語がだんだん普及して、ある日ある学生に「PHCSって何だ?」と聞いたら「そんなこと知らないんですか?」という顔をされました。Problem, Harm, Cause, Solutionの略だと聞かされて、そのときは「なるほど」と思い、それ以上追求しませんでした。
そして、それから3・4年たったころでしょうか、いつの間にかPHCSが神格化され、どこのESSでも使うようになりました・・・
1.1.2 PHCSの「発症」
そもそも、PHCSはどこから来たのか?欧米のスピーチ関連の書物にはPHCSという略語は見当たりません。
真偽のほどは確かではないんですが、どうも1980年代の中ころにKUELの専門委員の誰かが提唱したらしい。恐らく、スピーチの本を見て、Problem/Solution形式とCause/Effect形式をくっつけて、DebateのNeed/Plan/Advantage形式のようにしたかったのでしょう。そして、日本のESS界におけるKUELの「権力」を示すかのごとく、PHCSは日本全国のESSで使われるようになりました。
1.1.3 「功」
PHCSの「功」がないわけではない。初めてスピーチをする大学一年生に「スピーチとは何か?」を教えるために何か「型」があったほうがやりやすいのは確かです。
そして、Problem/SolutionとCause/Effectの二つの形式がSpeech to persuadeの最も基本的でわかりやすい形式であると考えると、PHCSを一つの型として教えるのは大いに結構でしょう。
1.1.4 「罪」
それでは問題はどこにあるのでしょうか?それは、中にはPHCSが一つの型に過ぎないことを理解していない学生がいることです。2003年11月のとあるスピーチコンテストのレセプションで、ある学生が私に次のようなことを言いました、「先日、先輩(OB?)にスピーチを見てもらったら、PHCSになっていないからだめだと言われました。」はっきり言って、私は唖然としました。そんな馬鹿な話があっていいのだろうか?スピーチはDebateでもなければESSで行われているDiscussionでもない!あらゆる形がありえるのがスピーチです。
大体、Debateでも上記のNeed/Plan/Advantageの形式の他に、一般的に使われている形式でComparative advantagesとGoals criteriaがあります。Debateという形式でがんじがらめの世界でも複数の形式があるのに、何故スピーチには一つの形式しかないと言えるのだろうか?こういった考え、またはこういった考えを持つ先輩・OBを一掃しない限り、そのクラブのスピーチは伸びないと私は思う。さらに、これはある特定のサークルだけの問題ではなく、ESS界全体の問題です。
PHCSはあくまでも一つの「型」にすぎない。PHCSはあくまでもスピーチの基本中の基本と心得ること。スピーチにはあらゆる形が可能なので、いろいろな形を試している学生をどんどん応援すべきである。これを間違えないように。
2 Academic Speechに向いているスピーチの種類
この章ではAcademic speechで主に使われる3種類のスピーチを紹介します。
2.1.1 Speech to Inform
一番身近なスピーチの種類でしょう。というのは、学校の授業(特に大学の授業)が大体Speech to informのジャンルに入ります。また、テレビのドキュメンタリー番組やほとんどの「講義」と名のつくものがSpeech to informです。
しかし、はっきり言うと私はSpeech to informはあまりAcademic speechに向いていないと思います。その理由は簡単です。20歳前後の学生が知っていて、30、40、50、60あるいは70歳台のジャッジが知らないものはそうたくさんありません。したがって、ジャッジからすれば目新しいものがないので関心がもてません。
Speech to informを書く学生に限ってよく「同じ学生であるオーディエンスを対象に書いている」と言う。しかし、メジャー大会と呼ばれるもので学生が審査する大会はありません。原稿審査でさえ社会人がやっている以上、社会人の知識レベルを理解したうえで書かないとSpeech to informは成功しないでしょう。
また、Speech to inform自体の大きな欠点として、人の心を動かしにくいことです。ただ知らせるだけで、説得する内容がないゆえの欠点です。このために、Speech to informで “So what?”と聞かれたら、ほとんどの場合返す言葉がないのです。
2.1.2 Speech to Persuade
Speech to persuadeがAcademic speechにおいてもっともスピーチの数が多い種類でしょう。主に人の態度・姿勢・行動を変えるのがSpeech to persuadeの目的です。トピックの選定次第ですが、話し手にとってまた聞き手にとっても重要な問題を扱う場合が多いので、ある意味でもっとも難しい種類のスピーチです。
簡単に言うと、Speech to persuadeではある主張をし、それを聞き手に説得するのです。上手なスピーカはその主張をはっきりと分かりやすく言います。しかし、多くのスピーチでは主張、すなわちViewpointやMain claimがわかってもらえているものとして、言わずに終わっているものが多いようです。
一番基本的なSpeech to persuadeは子供が親におもちゃを買ってもらいたいがためにする理由付けです。子供が親を説得しようとしているわけです。もちろん、大学のスピーチコンテストではもっと高度な技術を使っていただきたいが・・・
究極的には、人を説得するためには古い考え方や自分の考えと異なる概念に基づいた「抵抗」に勝たなければならないのです。したがって、ただ情報を羅列しただけではだめで、人の心を動かさなければならないのです。
2.1.3 Speech to Activate
日本のESSにおいてSpeech to activateはSpeech to persuadeと同じだと考えられています。実際問題として、Speech to activateはSpeech to persuadeの延長線上にあるスピーチの種類です。Speech to persuadeは人の考えを変えるべく説得するスピーチだとすれば、Speech to activateは人を説得した上で、さらに行動を起こさせようとするスピーチです。すなわち、「~を見ましょう」「~を買いましょう」「選挙に行こう」「~に抗議しましょう」は全部Speech to activateです。もっとも身近なSpeech to activateはほとんどのテレビのCM(商品を買ってもらおうとしているもの) だと思えばわかりやすいでしょう。
Speech to activateで一番多いミスは、やって欲しいことを曖昧に終わらせることです。例えば、発展途上国の貧しい子供をトピックとしたスピーチで “Give these children your support.” と言ったところで何をして欲しいか全然わかりません。しかし、次のように書けば非常に具体的になります。
“If you have the financial resources, become a foster parent by joining the Foster Parent program. If you don’t think you can contribute 5,000 yen a month, make a one-time donation, even if it is only 1,000 yen. If you can’t donate even that much, then help the Foster Parent program by translating the letters sent to and from foster children.”
2.1.4 Speech to Inform, Persuade, Activateの違い
この三つのスピーチの種類の違いを例を使って説明しましょう。
禁煙キャンペーンを展開しているとしましょう。
- 喫煙者に「タバコを吸う人における肺がん率は高い」と言うのがSpeech to inform。
- その喫煙者に「タバコを吸うと肺がんになるよ」と説得するのがSpeech to persuade。
- そして、その喫煙者にタバコをやめるように促すのがSpeech to activate。
2.1.5 Speech to Entertainは?
Speech to entertainはSpeech to informのように情報を与えることもしない、ただの「お楽しみ」スピーチなのでAcademic speechにおいては、スピーチの種類としては相手にされません。しかし、どの種類のスピーチであったとしても、人を楽しませるということは重要な要素で、スピーチの魅力を増します。したがって、すべてのスピーチにおいてSpeech to entertain的要素があったほうがいいと言えます。
3 スピーチのIntroduction/Opening
3.1 Introductionの目的
上手なスピーカはスピーチの最初の数行でオーディエンスの関心を引き付けます。それが上手なIntroductionということになるのでしょう。
しかし、極論を言えばIntroductionの究極の目的はトピックの紹介です。したがって、それさえできれば良いということが言えます。逆に、どんなに英語が上手で面白いOpeningであっても、トピックの紹介ができていなければ、それはIntroductionと言えない。
3.1.1 五つの基本要素
Introductionには五つの基本要素があります。
1) オーディエンスの注意を引く
2) トピックを紹介する
3) トピックの重要性を示す
4) Thesisを提示する
5) 主要な点の予告
大体読んでいただければ理解できると思いますが、5)に関して補足します。
今、日本で行われているESSのメンバーが参加できるスピーチ大会において果たしてこのPreviewが必要かどうか疑問です。なぜなら、ESSのスピーチは概ね7・8分の長さに限定されるため、それほど多くのMain Ideaを含んでおらず、さほど複雑になりません。そのようなスピーチにおいてPreviewが有効な手段かどうか疑わしいと思います。
また、たった7・8分しかないので、Previewをするために貴重な時間を使うのももったいないとも言えます。
しかし、時には7・8分のスピーチでも複雑になるものがあります。たとえば、法律問題を扱うスピーチはその良い例です。その上、多くの法律問題は素人には理解しにくく、用語もわかりにくい。このようなスピーチではPreviewは有効でしょう。
また、自分のスピーチやArgumentの展開が一般的なものと違うと思われる場合もPreviewは有効な手段といえるでしょう。
3.1.2 Introductionの他の要素
上記の基本要素の他に、スピーチの内容次第でIntroductionにはさらに次の要素も必要になります。
3.1.2.1 「権威性」(Credibility)を築く
ESSのスピーチは当然学生によってプレゼンテーションされます。したがって、トピックによってはスピーカの権威性が問われる場合があります。例えば、上記の例のように法律問題を扱うスピーチならば、自分が法学部の学生であることを言うだけである程度の権威性が確立されるでしょう。
また、こんな例もあります。以前、ある男性スピーカが「代理母」問題についてスピーチをしました。代理母問題はどう考えても女性中心の問題なので、男性が扱うのはちょっと奇異としかいえません。しかし、絶対扱ってはならないトピックではないはずです。何故男性なのに代理母問題を扱うのかをIntroductionで納得できる形で入れることができれば、ジャッジも認めるのではないでしょうか?
3.1.2.2 オーディエンスとの共通点(Common Ground)を確立する
スピーカが学生でオーディエンスも学生の大会で共通点を確立する必要性はないと思うかもしれませんが、それではジャッジとの共通点はどうなるのでしょうか?トピックによって何処かに共通点を見出す必要があるでしょう。
また、トピックが独創的であればあるほどオーディエンスとの距離も遠くなると考えたほうがいいでしょう。そのようなトピックのときは特にオーディエンスとの共通点を見出し訴える必要があると思われます。さもなければ、ただの「変人」で終わる危険性があります。
3.1.2.3 スピーチ全体の雰囲気・調子(Tone)をつくる
スピーチにとって雰囲気は大事な要素です。そして、それはスピーカが自ずからIntroductionの中から作り出すものです。
Introductionでユーモアを使えば、「軽い」雰囲気になります。名言を引用したら、その名言の内容によって格調高い雰囲気をつくりだしたり、悲しい雰囲気等をつくることができます。
スピーチを成功させるためには、オーディエンスをその気にさせなければならないので、そのためにはIntroductionで雰囲気を作り出すのが重要です。
3.2 Introductionの種類
ここでは、一般的に使われているIntroduction/Openingの種類を説明します。
3.2.1 直接トピックを切り出す
もっともストレートで簡単なもの。確かに色気はない。しかし、間違いもない。
スピーチを書く過程で、私はConclusionの方を大切にするべきだと思うので、Introductionはとりあえずこの形で書いて、BodyとConclusionが完成して余裕があったらIntroductionで悩むべきだと思います。なぜなら、Introductionで悩みすぎてConclusionがおろそかになるほうがよっぽど怖いからです。
3.2.2 引用・名言 (Quotation)
スピーチを格調高く始めたい場合に、これはとても有効な手段です。原語のQuotationを使えば英語も自分が思いつくものより格調高い上に、Credibilityもつく。なぜなら、自分の主張を著名人・有名人も賛同していることになるからです。例えば、
John F. Kennedy in his inaugural address said, “Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.” Although he said these words in 1961, I believe they are true in any year, and especially relevant for our country today.
3.2.3 Rhetorical Question
Rhetorical questionとはスピーカがオーディエンスに考えさせるために投げかける質問です。もちろん、返事を期待しているわけではない。疑問文を一つだけ投げかけるだけでもいいが、一連の疑問文を使うという手もあります。例えば、原子力問題をトピックとしたスピーチでは、
What do you think about nuclear power plants? Do you think they are dangerous? Do you think they harm the environment? Do you think they should be abolished?
このように一連のRhetorical questionでスピーチを始めることによってもう一つの利点が生じます。それは、その後のArgumentを示唆することです。すなわち、一種のPreviewとなるわけです。上記のOpeningで原発賛成のスピーチだったら、二つ目と三つ目の質問をスピーチの中で論破することにより、自分の主張をサポートします。
3.2.4 個人的・歴史的・一般的事実 (Personal, Historical and Audience References)
実例を述べることで、オーディエンスと同じスタートラインに立つことができます。また、実例を使うことによって、Credibilityも確立できます。
Historical referenceは歴史背景が大事なスピーチに使うと有効でしょう。
Personal referenceを使うことによってオーディエンスに自分のことが伝えられます。または、自分をある状態や事件と関連付けることもできます。
Audience referenceを使うことによって自分とオーディエンスの間につながりを作り出すことができます。さらに、オーディエンス参加を促すことができます。
例えば、戦争をトピックとしたスピーチでは、
In 1945 my grandfather, as a Japanese sailor, was preparing for the Allied invasion of Japan. I’m sure that in that year your grandparents or possibly great grandparents were also helping Japan fight the Pacific War.
上記の二つの文章の中にHistorical referenceと personal referenceと audience referenceがすべて入っているのがわかると思います。
3.2.5 Humor/トピックを示唆するようなユーモア(笑い話等)を用いる
どこの国の人でも外国語でユーモアを上手に使うのは難しいのですが、もしできるとすれば、相当評価が高くなります。ただ、問題はユーモアとトピックのつながりです。これがはっきりしていなければ、どんなに面白いジョークや話であったとしても無駄な上に、スピーチ時間がもったいない。
3.2.6 驚くべき発言 (Startling Statement)
これは一種の奇襲作戦です。オーディエンスが驚くような発言をすることによって、オーディエンスの注意を引くことができます。例えば、
I’d like to start off this speech by making one thing clear: I’m gay; I’m gay and proud of it.
3.2.7 短い話やIllustrationで始める
この手法では、短い話やIllustrationをすることによって、オーディエンスに自分のトピックと関係のある具体例を示します。下の例はかつて実際のスピーチコンテストで使われたものです。
There is a place where birds roam the skies in flocks without a worry. Other animals have it just as good. There is food in abundance and no need to strive. There are few predators and they are usually full of food, so that they hardly ever hunt other animals.
Can you guess where I am talking about? If your answer is Tokyo, then you are right. Can you guess how this paradise for animals was created? This paradise is the result of the so-called "Age of Gluttony."
Let me describe a typical day in the life of Tokyo's "wildlife."
With the break of day, the crows which reside in Tokyo's Meiji Shrine rise and start flying eastwards. They fly over the Imperial Palace and Hibiya Park. There destination: the Ginza. In the Ginza there are an average of ten garbage cans and 20 plastic bags full of leftovers on each street corner. These are the remnants of the previous night's partying. The crows usually arrive at about 4 AM. They tear open the bags, turn over the cans and start their feast. Soon, sparrows and pigeons come to join them. A little later stray cats also join in. Finally, the mice and rats who live in the Ginza get their share. When the garbage collectors finally arrive at about 8 or 9 o'clock, they find the remains of the feast scattered all over the street.
上記の話は事実に基づいてますが、この他にPersonal storyやhypothetical story等使える話の種類は限られてません。
3.2.8 上記の組み合わせ
たとえば、「歩行者や自転車に乗っている人の交通ルールの知識をあげなければ交通事故の数が減らない」という主張のスピーチでこんな感じのOpeningはいかがでしょうか?
To start off, I would like to ask you a question: When you are walking down a street without a sidewalk, on which side of the street do you walk? Those who walk on the left, please raise your hands? [手が上がるのを待つ] What about those who walk on the right? [再び手が上がるのを待つ] I guess those of you who didn’t raise your hands walk in the middle of the road.
このOpeningの中にRhetorical questionではないが疑問文(When you are walking down a street without a sidewalk, on which side of the street do you walk?)と Audience reference(“When you are walking….” のyouがオーディエンスなので)と Humor(爆笑になるかどうかわかりませんが “I guess those of you who didn’t raise your hands walk in the middle of the road.” である程度の笑いが取れるはずです)と Startling statement(“I guess those of you who didn’t raise your hands walk in the middle of the road.”)があるだけではなく、 Audience interactionもあります(オーディエンスに手を上げさせることによって対話してますので)。
3.2.9 どの方法が一番いいのか?
時間的の制約: 7・8分のスピーチではIntroductionはせいぜい1分30秒くらいだとすれば、どうしても2分かかる話はまずいでしょう。もちろん、スピーチの他の内容にもよりますが。
Speech to informやSpeech to persuadeやSpeech to activateにおいてスピーカの権威を早い段階で確立する必要があります。したがって、Introductionで自分の経験や選んだトピックについて話す「資格」を入れなければならない場合もあります。
自分は何を得意としているか?この質問に正直に答えることがとても大切です。例えば、自分がお話をするのが得意であれば、StoryやIllustrationを使うと良いでしょう。もし、人を笑わせるのが上手であれば、ユーモアを考えてください。
もし、得意なものが何もなければ、そのままストレートにThesis statementを言って、Bodyに移っても大丈夫です。
4 Thesis Statement
Thesis statementなるものをIntroductionの一部として説明する本やウェブサイトがある一方、他方ではThesis statementをBodyの一部として説明するものもあります。はっきり言って、どっちでもいいんです。Thesis statementが必要だという考えが一致しているので、それで十分です。
Thesis statementがIntroductionの一部なのかBody の一部なのかがはっきりしませんが、大体Introductionの最後かBodyの初めに書くものだとほとんどの専門家は言います。したがって、ここではThesis statementをIntroductionの一部やBodyの一部として考えるのではなく、IntroductionとBodyの間にある独立したTransition statement(5.3 Transitional Devices and Statements参照)として考えます。(これでこの問題がますます混乱することをひそかに期待している私である・・・)
4.1 Thesis Statementの役割
- オーディエンスにどのようなスピーチを期待できるかを伝える。(Speech to informなのか、Speech to persuadeなのかがわかります。)
- 全体のスピーチの雰囲気・調子を決定する。
- 主旨を匂わせたり、ちょこっと言ってみたり、またははっきり伝えてしまう。
4.2 Thesis Statementに必要なもの
4.2.1 オーディエンスが関心を持つようにしなければならない
オーディエンスがThesis statementを聞いた後に、 “Why do you think that?” “How do you know?” “What’s your proof?” と思ってくれているならしめたものです。ところが、 “So what?”と思っているようだと最悪。
平凡なThesis statement:
The way people dress tells you a lot.
もっと面白みのあるThesis statement:
“Fashionology” is the study of how and why people dress the way they do, and how it affects all of us.
後者の文章は造語の “Fashionology”を使うことによって聞き手の関心を引きます。また、トピックが “how and why people dress the way they do”であることもすぐにわかります。さらに、 “how it affects all of us”を入れることによってオーディエンスの関心をあおっています。
4.2.2 なるべく具体的に伝える
良いThesis statementでは的確な用語を使うことによって具体的な説明がなされます。例えば、「Speech to Activateの書き方」というタイトルのスピーチのThesis statementとして、
I will talk about the difficulty of writing a speech.
は、具体性に欠けますが、
I will talk about how writing a speech to activate is difficult because you must convey your thoughts to the audience, persuade them to agree with your ideas, and then get them to act.
ではかなり具体的になってます。後者ではただのspeechからspeech to activateに変わっている上に、何故難しいかの要素を並べてます。これで、この順番にスピーチを展開すれば、オーディエンスにとってかなり分かりやすいはずです。
4.2.3 なるべく短くまとめる
Thesis statementにはSupporting materialはいりません。言い切ってしまえばいいのです。そして、長ったらしい説明もいりません。また、 “In my opinion” や “I believe”のような語句を省いてください。あなたがスピーカとして言っているので当然あなたの意見だし、当然信じているのでしょう。とにかく要点だけを言ってください。悪い例として、
In my opinion some of the animated cartoon shows on television today, such as those on weekday evenings, overuse computer graphics and have taken out the human element, making them much less appealing than the ones we watched as children not only to adults, but to the very children that they are targeting which, when you think about it, is self-defeating.
同じことを簡単に書くと、
The cartoons on television now aren’t as appealing as those we watched as kids.
後者は要点だけを書いています。前者の他の部分(特に挿入句)はほとんど説明的なものなので、Bodyで言うべきです。
4.2.4 Categorical terms(絶対的・全面的な用語)を使ってはならない
Categorical termsとは “all” “never” “none”のように例外を許さない包括的な単語を言います。このような単語をThesis statementで使うと、あとで裏づけがしにくくなります。代わりにQualified terms (限定的・条件付用語)を使ってください。
Categorical用語を使った文:
Japan should never send the Self-Defense Forces abroad.
Qualified用語を使った文:
The Self-Defense Forces should not be sent abroad on military assignments.
前者ではたとえ災害救助や国連の人道的支援であろうと、自衛隊はいかなる任務でも派遣してはならないことになる。後者では、軍事目的の派遣にのみ反対することになる。
4.2.5 Thesis Statementの書き方
何年か前にThesis statementの重要性を唱え始めたころに、 何度か“Today, I’d like to talk about….”で入るといいと説明したことがあります。自分を棚に上げるわけではないが、私の影響力も捨てたものではないと思ってしまう。なぜなら、今ではThesis statementを使うスピーカの十人のうち8・9人がこのフレーズもしくは類似したフレーズを使うからです。
でも、いい加減聞き飽きました。
そこで、代わりの入り方をいくつか紹介しますが、これもほんの一例に過ぎないので自分で工夫しましょう。
- It is my position that….
- I’m here to support the view that….
- It’s time for us to consider what we can do to….
- I shall demonstrate how…..
- I want you to know that….
- We need to look at the question of….
- Let us examine what can be done about….
- It is an excellent time to….
- It
is about time that we recognize the need for/problem of/question of….
5 スピーチのBody
Bodyがスピーチの中で一番長い部分なので当然書くのに一番時間を要する。
まず、Bodyを書き始める前に自分の大まかな目的と具体的な目的の両方を特定します。大まかな目的によってどのような順序で話を展開するかが決定されます。
トピックを決め、絞り込んでリサーチをしたら、資料を整理しなければなりません。そのためには三つの過程を経ます:(1)Organizationの形式の決定、(2)内容の箇条書き(3)Transition(変わり目部分)の書き入れ。
5.1 Organizationの形式
「1.前書き」で述べたようにスピーチの書き方に決まった形式があるわけではない。スピーチの形式は自分が持っている情報と自分の達成したい目的によって決まります。スピーチのOrganizationには下記の六つの基本的な形があります。
5.1.1 論理配列または項目配列 (Logical or Topical Order)
複数の意見や主張を提唱したい上に、その順序が自ずから決まるようだったら、論理的配列が適当かと思われます。これはもっとも一般的な形式の一つで、とくにSpeech to informでよく使われます。例えば、「運動の効能」をトピックとしたスピーチのOutlineは次のようになります。
I. Types of exercise
A. Aerobic
B. Anaerobic
C. Stretching
II. Physical benefits of exercising
A. Better cardiovascular fitness
B. Improved muscle tone
C. Improved flexibility
D. Reduced weight
III. Mental benefits
A. Improved alertness
B. Improved self-esteem
「運動の効能」を説明するためには、どんな種類の運動があるのかの説明から入るのが適当かと思われます。そして、運動といえば「体を鍛える」を連想する人が多いだろうから、肉体的な利点を次に書きます。そして、最後に精神的な利点。しかしながら、IIとIIIが逆なっても特に問題はありません。
もし、Logical orderにおいて「法則」があるとすれば、それは一番大事な点を最初に書き、二番目に大事な点を最後に書くことです。何故この順序かというと、心理学的に人はある配列を聞いたときに最初と最後を覚える傾向があるからです。
5.1.2 時系列配列 (Chronological Order)
時系列的配列とは、ただコンテンツが起こった順序で話すことです。簡単ですが、Speech to informやSpeech to persuadeの現状分析をする上で、とても有効な形式です。
例えば、日本国憲法第9条の改正を訴えるスピーチでは、現状分析の中で憲法の制定から今日に至るまでの歴史的背景をある程度説明する必要があるでしょう。この説明を年表順にするのが一番わかりやすいわけです。
また、あるプロセス、例えば物を製作するプロセスやごみ処理のプロセスを説明するときに、やはり順を追って説明するわけですが、これもChronological orderになります。
5.1.3 空間配列 (Spatial Order)
空間的配列と聞くとわかりにくいと思いますが、物理的な場所の説明と思っていただければけっこうです。
例えば、マンションを説明するときに、まず間取りから始めるでしょう。そして、LDKは何畳あるのか、どんな付帯設備がついているのかを説明します。3LDKだとすれば、次に三つの部屋を大きい順に説明するのが適当でしょう。最後にバス・トイレの説明をします。
もう一つの例として、天気予報のように地理が出てくる話をするときにこの形式を使います。日本の全国の天気予報は大体西から東へ天気を予想します。決して、アト・ランダムに東京から札幌、福岡、大阪という順序ではありません。
この形式は主にSpeech to informで使われますが、時にはSpeech to persuadeの現状分析で使うこともできます。一般的に、話に物理的な空間や地理が出てくる場合に、この形式が使えると思っていいでしょう。
5.1.4 分類配列 (Classification Order)
この形式では、コンテンツを種類別に分けます。例えば、大学では学生は学年によって分類されています。会社は株式会社、有限会社、合資会社等に分類されています。
この形式はあらゆる種類のスピーチに使えます。例えば、代替エネルギーに関するスピーチでは次のようなOutlineが作れるでしょう。
I. Every type of conventional power plant has its pros and cons
A. Fossil fuel
1. Pros
2. Cons
B. Hydroelectric
1. Pros
2. Cons
C. Nuclear power
1. Pros
2. Cons
II. Alternative energies also have their pros and cons
A. Solar energy
1. Pros
2. Cons
B. Wind power
1. Pros
2. Cons
C. Fuel cells
1. Pros
2. Cons
5.1.5 問題解決配列 (Problem-Solution Order)
この形式は主にSpeech to persuadeに用いられます。二つの要素からできており、一つ目では問題を提起し、二つ目で解決策を提案します。その中で、違うOrganizationの方法も使うことができます。例えば、前半の問題提起の部分をLogical orderでまとめて、解決策をClassification orderでまとめる。
Speech to persuadeではスピーカは解決策を提案してそれが何故最良の解決策なのかを説明します。例えば、教育問題を扱ったスピーチを次のようにOrganizeできます。
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Problem-solution orderの問題があるとすれば、それは使われすぎていることです。これは日本のESS界におけるPHCSの問題でもあきらかですが、アメリカでも使われすぎていると言われています。
したがって、スピーチの中・上級者であればもうちょっと違う形のスピーチを書く試みをしたほうがいいと思います。
5.1.6 因果配列 (Cause-Effect Order)
Problem-Solution orderと同様にこの形式も二つの要素からできています。一つ目の要素では問題の原因を説明し、二つ目ではその結果を説明します。
例えば、「有害化学薬品」のスピーチでは前半では化学薬品がどのように環境を影響するかを説明し、後半では化学薬品がどのように人間や動植物にとって有害かを説明します。
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